「黄易群侠伝ONLINE」は、チャイニーズゲーマー社が「金庸群侠伝ONLINE」に続いて、再び有名な武侠小説をテーマに製作したオンラインゲームです。黄易の小説の特長である、史実に基づいたストーリー背景や、武術界の様々な恩や仇の他、更にそれらを織り交ぜて時空を越えた冒険へと、プレイヤーの皆さんをお誘いします。その前に、まずは新しい武侠小説のスタイルを作り上げ、一大ブームを巻き起こした「黄易」というSF武侠小説家について説明しましょう。   
 
作家としての経歴
  黄易は、本名を黄祖強といい、香港中文大学の芸術学部を卒業しています。香港芸術館の副館長を務めていましたが、1989年に辞職し、小説の創作に専念するようになりました。初期の作品はSFをテーマにし、「凌渡宇」という主人公が活躍するシリーズが中心でした。この点は、同じく香港の小説家である倪匡とも共通しています。ただ、『大剣師伝記』を発表してから後、SFと武侠をミックスした独自の路線を歩き始めることになります。 黄易はマスコミの取材にこう答えています。

  武侠小説作家を選んだのは、単に小さい頃から武侠小説を読むのが好きで、それにも増して空想を楽しむのが好きだったのだけれど、ちょうど数年前から香港の『武侠世界』という雑誌が武侠小説の連載を始まっていて、そこで、自分が構想を練っていた物を文字にして、六万字にわたる生まれて初めての武侠小説を書き上げたところ、それが雑誌に採用され、それから正式に作家としての生活がスタートしたのです。
 
黄易小説の要素
  武侠小説を理解するためには、いくつかの角度から見ることができます。まず、彼が好きな作家、そして彼の趣味などです。黄易が最もお気に入りの作家は金庸と司馬翎です。特に司馬翎に対しては、その作品の奥深さや、ヒューマニズムの本質を突く表現手法において、現在でも台湾の武侠小説界における第一人者であると感じているようです。黄易はかつて、自分が小説で武術関係のものを書く際、特にその精神や気迫を重視するのは、司馬翎の影響を受けているからだと率直に語っています。ただ、彼らの間にはやはり大きな違いがあり、黄易のほうはより幻想的な要素が強く、「武道を通じて天道を表現する」という傾向があります。

  黄易の小説の中には度々、上は天文学から下は地理学まで、様々な知識がちりばめられています。これは彼の広範な趣味とも関係があります。この点について黄易が謙虚に述べたところでは、実のところ彼は考えることがとても好きで、これまでに古琴やヨガ、占い、風水、建築芸術などを学んできましたが、なかでも特に読書が好きで、どんなジャンルの本でも読むとのことです。つまり、黄易のように想像力にあふれていて、豊富な知識があってこそ、このように人々を魅了する小説を創作できるのです!
 
黄易の小說の特長

  黄易の小説の特色として、まず最も顕著なのは、歴史上に起こった出来事を武侠小説の背景としていることです。その主な理由としては、小説によりリアリズムを持たせるためです。実際のところ、もしリアリズムのない小説であったなら、単に侠客たちが殺し合いをするばかりで、明確な目標もなく、最後には何のために戦っているのかすら分からなくなり、読者は読み進む興味も無くなってしまうでしょう。短編である《破砕虚空》や《荊楚争雄記》、または長編の《覆雨翻雲》、《尋秦記》、《大唐双龍伝》など、いずれも史実がテーマになっています。これら物語の年代は、それぞれ春秋時代、戦国時代、隋の末期、元末、明の初期となっています。ストーリーは全て歴史上の出来事と関連があり、そのため、黄易の中編や長編小説のストーリー構成が膨大となっており、壮大な時間の流れやキャラクター数の多さからも、黄易の作家としての実力がうかがえます。

  また黄易は、小説とは映画のようなカット割りの効果が必要だと考えています。読者は読み進むうちにまるで映画を見ているような、生き生きとした情景が思い浮かんでくるのです。そのため、普段あまり小説を読まない人でも、いちど読み出すと止まらなくなるのです。これも黄易の小説が成功している理由と言えましょう。

  黄易の小説におけるもう一つの特長は、キャラクターについて、善玉と悪役の区別がつきにくいということです。これは現実の人生においても、一人の人間が本当に善良なのか、あるいは本当に悪者なのか、確定するのは難しいのと同じです。黄易はキャラクターを創作する際、ひとつひとるのキャラクターを忠実に描くように心がけており、いずれも一般人と同じように様々な感情を持ち、大侠客であろうがちんぴらであろうが、困難な状況に対しては恐れるし、美女を前にすれば鼻の下を伸ばすであろうし、ただ異なるのは、黄易によって描かれるキャラクターはそれぞれが自分の個性に合った方法で様々な困難を克服していくことなのです!

  初期の頃の《破砕虚空》から、後期の《大唐双龍伝》、《辺荒伝説》まで、黄易が常に武侠小説に対して新しい定義を模索していることが見て取れるでしょう。それらの作品を見れば、最初のころのいわゆる「天の道」に対する追求から、後には生命に対する大きな関心まで、彼がいつも新しいものを創造していく努力を続けていることが分かります。このように、たゆまぬ創作の過程があることによって、今後もより多くの読者へ新しい感動を与え続けることでしょう!

 

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